問20の解答
<解説>
引っかけの要素が複数組み込まれた「いぢわる問題」です。
常識から抜け出さない限り、正しい答えを得ることはまず不可能でしょう。
さて、まずは展開図を普通に組み立ててみましょう。
すると、次のような立体が出来ます。
この立体は、
[A]正四面体
[B]合同な3つの面が直角二等辺三角形からなる正三角すい
からなっています。 …(★)
さて、この立体は次のように立方体から切り出すことが出来ます。
1辺の長さがXcmの正方形から、(★)の[B]の立体3つを切り出せばいいですね。
[B]の立体の体積は、X×X÷2×X÷3=X×X×X/6ですから、
従って、立体の体積は、X×X×X−3×X×X×X/6=X×X×X/2です。
というわけで、X×X×X/2が400cm2より大きく、500cm3より小さくなる…つまり、X×X×Xが800cm3より大きく、1000cm3より小さくなるようなXを発見すればいいわけです。ところが……
となって、体積の条件を満たすようなXは見つかりません。
ということは、この問題の答えは『解なし』なのでしょうか?
いえ、ちょっと待ってください。
この展開図の組み立て方は、実はもうひとつ作り方があるのです!
少々気付きにくいかもしれませんが、次のようなへこみのある立体も作ることができます。
下の図ではかなり無理のある置き方をしていますが、これは体積を求める図の都合です。
この立体は、(★)の[A]から[B]を取り除いた形になっています。
この立体は、前の立体から[B]をさらに2つ切り取ったものなので、1辺の長さがXcmの正方形から、(★)の[B]の立体5つを切り出せば完成です。
立体の体積は、X×X×X−5×X×X×X/6=X×X×X/6です。
よって、X×X×X/6が400cm3より大きく、500cm3より小さくなる…つまり、X×X×Xが2400cm3より大きく、3000cm3より小さくなるようなXを発見すればいいわけです。
よって、X=14のときのみOKで、その時の立体の体積は、14×14×14/6=1372/3cm3となります。
正解;(1) X=14 (2) 1372/3cm3 |