算数限界編問32の解答

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<解説>

解き方自体は有名な「正四角すいの切断問題」と大差ありませんが、視点を何度も変える必要があるので意外に手を焼く問題かもしれません。

切断面は図1のようになります。
切断面と辺OD・辺OF・辺OBとの交点をそれぞれX・Y・Zとします。
また、底面の中心をHとしたとき(OHは正六角すいの高さとなりますね)、OHと切断面の交点をIとします。
方針としては、正六角すいを6つの合同な三角すい(O-HAB・O-HBC・O-HCD・O-HDE・O-HEF・O-HFA)に切り分けてから体積比を比べることにします。

ここで、「三角すいの体積比を求める定理(★)」を思い出す必要があります。
有名な定理ですが、知らない方は以下をご覧ください。

 

さて、△ODAが真正面にくるように正六角すいを見たのが、図3です。
この方向から見ると、対称性より切断面は直線に見えることになります。

Oを通り、ADと平行な線を引き、切断面の延長との交点をMとします。
すると、△QEAと△QOMはチョウチョ型相似で、相似比QE:QO=1:1…つまり合同な三角形です。
よって、DE=1メモリとすれば、EA=3メモリだからOMも3メモリです。
以下、メモリに着目することにより、長さの比が芋ヅル式に求まります。
 △XDAと△XOMは相似で、相似比DA:OM=4:3=DX:OX …ア
 △IHAと△IOMは相似で、相似比HA:OM=2:3=HI:OI …イ
 △YFAと△YOMは相似で、相似比FA:OM=1:3=FY:OY …ウ

なお、対称性より明らかに BZ:OZ=FY:OY=1:3 が成立します。

辺の長さをまとめます。 OA=OB=OC=OD=OE=OF=とすると、
題意よりOP=OQ=1/2、 アよりOD=3/7、 イよりOI=3/5、 ウよりOY=OZ=3/4
となります。

では体積比を求めます。定理★と図4を参考にしてください。

O-HFA:O-IYA=××3/5×3/4×1:9/20 (O-HAB:O-IAZも同様)
O-HEF:O-IQY=××3/5×1/2×3/41:9/40 (O-HBC:O-IZPも同様)
O-HDE:O-IXQ=××3/5×3/7×1/21:9/70(O-HCD:O-IPXも同様)

というわけで、正六角すいと切断面より上の立体の体積比は、
(O-HAB+O-HBC+O-HCD+O-HDE+O-HEF+O-HFA):(O-IAZ+O-IZP+O-IPX+O-IXQ+O-IQY+O-IYA)
=1×6:(9/20+9/40+9/70)×2=6:45/28=56:15
(Oを含むほうの立体):(Oを含まないほうの立体)=15:(56−15)=15:41 が正解となります。

正解;15:41


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