算数限界編問79の解答

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<解説>

立体の切断面を1つに定めるには、(同一直線上にない)3点が必要になります。
ところがこの問題には位置のわかる3点が直接与えられていません。そこで…

直方体を1回切断してできた立体α(切断面の形が平行四辺形,長方形,ひし形,正方形の場合)を考えます。

立体αを2つ(切断面がピッタリ重なるように)くっつけると、直方体βになります。
右図で、切断面の中心をア、直方体βの下面の中心をイ、直方体βの上面の中心をウとします。
すると、3点ウアイは一直線上にあり、しかもアは切断面の形によらず直線ウイの真ん中にあります。…★
例えば右図で、立体αの体積が220cm3であれば、イウは220×2÷(4×5)=22cm。
そしてアイの長さは、切断面の形によらず22÷2=11cmです。

★をヒントにすると、立体Vの切断面が通る3点を見つけることができます。
次の図は、立体Vの体積を4等分にしたときの様子です。
切断面が3か所ありますが、その形はすべて平行四辺形となります。

立体Vの体積は 4×5×57+64×5×3+4×90×3+4×5×3=3240cm3
4等分したときの1個ぶんは3240÷4=810cm3です。
上の図のように、「立体Vの面の中心D・E・F」「切断面の中心X・Y・Z」を定めると、★より


 810×2÷(4×5)÷2=40.5cm…DX
 810×2÷(3×5)÷2=54cm…EY
 810×2÷(3×4)÷2=67.5cm…FZ
となり、切断面の通る3点X・Y・Zの位置がわかりました!

さて、DX・EY・FZの延長線は一点Oで交わりますが、その位置はDやEやFの位置から考えて、


 最左面(3点OABを含む)の5÷2=2.5cm右
 最奥面(3点OACを含む)の4÷2=2cm手前
 最下面(3点OBCを含む)の3÷2=1.5cm上
にあります。また、△OXYや△OXZの辺の長さについては、より


 57+3−(40.5+1.5)=18cm…OX
 64+4−(54+2)=12cm…OY
 90+5−(67.5+2.5)=25cm…OZ
となっています。これはあとで相似な三角形として利用します。


さあ、いよいよ本格的に答えを求めにかかります。
右図のように、PXを対角線とする直方体Wを考えます。(もちろん、直方体Wも切断します)
直方体Wの頂点G・Hおよび切断面との交点Sを図のように定めます。
PH=4÷2=2cm、GX=5÷2=2.5cmですね。
目標は、XとPの高さの差(つまりHGの長さ)を求めることです。

△HSPと△OXYは相似です。より
 HP:HS=OY:OX → 2:HS=12:18 より、HS=3cm。
△GSXと△OXZは相似です。より
 GS:GX=OX:OZ → GS:2.5=18:25 より、GS=1.8cm。
よって、HG=3+1.8=4.8cmとなります。


これでようやく、APの長さはDXより4.8cm短いとわかったので、AP=40.5−4.8=35.7cm!

なお、他の長さも調べると、BQ=51.8cm、CR=61.25cmなどとなり、立体Vは確かに4つに分かれることがわかります。

正解;35.7[357/10]cm


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