問22の解答
<解説>
この問題を解く前に、2つの準備が必要です。
とはいっても、どちらも中学入試では是非知っておきたい事柄なので、知っている方も多いでしょう。
----------
[有名な事実]〜接する2円の性質
2円が1点で外側で接している時、2円の中心を直線で結ぶと、その直線は2円の接点を通る。
まあ当たり前といえることでしょう。
この事実は、図形のころがし移動でもおなじみですね。
無意識にこの事実を使って解いているはずです。
[有名な定理]〜線分比と面積比
下図の三角形DBEの面積と三角形ABCの面積の比は、a×c:b×dである。
三角形ABEと三角形ABCは、底辺をそれぞれBE、BCと見ると、高さは等しいので、面積比は底辺比に等しくなるので、三角形ABEの面積と三角形ABCの面積の比はa:b。
また、三角形ABEと三角形DBEは、底辺をそれぞれAB、DBと見ると、高さは等しいので、面積比は底辺比に等しくなるので、三角形ABEの面積と三角形DBEの面積の比はc:d。
まとめると、三角形DBEの面積と三角形ABCの面積の比は、a×c:b×d
----------
さて本題。
問題図の3円の中心(半径の大きい方から順にP、Q、Rと名付けます)を結ぶと、[有名な事実]より、2円の接点を通ります。
また、2円の接点を、次の図のようにX、Y、Zと名付けます。
QR=3cm、RP=4cm、PQ=5cmとなることから、『辺の長さの比が3:4:5の三角形は直角三角形』なので、三角形PQRは、角PRQ=90度の直角三角形となり、面積は、4×3÷2=6cm2です。
求めようとしている三角形XYZの面積は、三角形PQRから余分な三角形(三角形PYZ・QXZ・RXY)を引きます。
[有名な定理]より、三角形の面積比を順次求めていきます。
・三角形PYZ:三角形PQR=3×3:4×5=9:20
・三角形QXZ:三角形PQR=2×2:3×5=4:15
・三角形RXY:三角形PQR=1×1:4×3=1:12
三角形PQRの面積を60(20と15と12の最小公倍数です)とすると、面積比
三角形PQR:三角形XYZ=60:(60−9×3−4×4−1×5)=60:12=5:1
ゆえに、三角形XYZの面積は、6×1/5=6/5(=1.2)cm2となります。
正解;1.2cm2 |