算数実戦編問27の解答

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<解説>

いろいろな解法が解法が考えられます。
今回は想定していた算数的解法の他に、送られてきた算数的解法もいくつか紹介します。

その前に、問題図についての条件をまとめておきましょう。

赤い色のつけた角(角Aまたは角D)と青い色をつけた角(角Bまたは角C)の和は180度です。 …[☆]

[解法1]
台形ABCDを三角形ABDと三角形DBCに分割し、次の図のようにくっつけ直してみます。
解法1
AB=CDと[☆]より、等しい2つの角が15度、BD=DD'=12cmの二等辺三角形DBD'が完成します。

さて、この三角形の面積はどのように求めればいいかというと…有名な直角三角形が活躍します。
有名な直角三角形

3つの角度がそれぞれ30度、60度、90度の直角三角形は、図を見てもわかるように、正三角形を真っ二つにしたものです。
よって、この直角三角形の一番短い辺の長さは一番長い辺の長さの半分となります。 …[1]

これを利用すると、等しい2つの角が15度の二等辺三角形の面積を求めることができます。
等しい2辺のうちの1辺を底辺と考えると、高さは底辺の長さの半分となることがわかります。 …[2]

というわけで、等しい2つの角が15度、BD=DD'=12cmの二等辺三角形DBD'は、底辺を12cmとすると[2]より高さは6cmとなり、
12×6÷2=36cm2となります。

 

[解法2]
解法2

上の図は、台形ABCDと合同な台形BAEFを重ねた図です。
このときできた三角形BDEは、三角形DBCと三角形BEAは合同であることから、実は台形ABCDの面積と等しいのです(三角形BEAを三角形DBCの部分に移動させてみましょう)。
しかも三角形BDEは解法1ででてきた二等辺三角形と合同です。
というわけで、面積は12×6÷2=36cm2となります。

[解法3]

BDに平行な直線のうち、頂点Aと頂点Cを通るものをそれぞれ引き、ACに平行な直線のうち、頂点Bと頂点Dを通るものをそれぞれ引いたものです。
すると、四角形EFGHは1辺が12cmのひし形であることがわかります。
ひし形EFGHの面積は、台形ABCDの面積の2倍です。(三角形EADと三角形OAD、三角形AFBと三角形BOA、三角形BGCと三角形COB、三角形DCHと三角形CODがそれぞれ合同であることから説明がつきます)
ここでFとHを結ぶと、ひし形EFGHはちょうど2等分されます。 つまり、三角形EFHの面積がひし形EFGHの面積の半分すなわち台形ABCDの面積と等しいわけです。
というわけで、面積は12×6÷2=36cm2となります。

 

[解法4]

ABの真ん中の点、BCの真ん中の点、CDの真ん中の点、DAの真ん中の点をそれぞれE,F,G,Hとし、これら4点を結びます。
すると、中点連結定理から、EF,FG,GH,HEの長さはともにBDあるいはACの長さの半分で6cmです。
よって、四角形EFGHはひし形です。
このひし形は、台形ABCDの面積の半分です。これは解法4の真ん中の図のように図形を細切れにするとわかります。
ここで三角形HEGの面積を考えます。 三角形HEGの面積はひし形EFGHの面積の半分ですから、三角形HEGの面積は台形ABCDの面積の1/4倍です。
三角形HEGの面積は[2]より6×3÷2=9cm2ですから、台形ABCDの面積は9×4=36cm2です。

 

[解法5]

解法5

台形ABCDの面積は、三角形ABDと三角形DBCの面積の和ですが、どちらも底辺をBDとみると、高さはそれぞれ図のAPとCQになります。
そこで、APとCQの長さの和を求めてみます。
Aを通りBDの平行な直線を引き、CQの延長線との交点をRとします。
すると、ARとBDは平行ですから、角ARC=90度となりますから、四角形APQRは長方形です。
このことから、AP=RQとなるので、APとCQの長さの和は結局CRの長さと等しくなります。
さて、角RAC=15+15=30度ですから、三角形ACRは[1]で出てきた直角三角形ですから、CRの長さはACの長さの半分で6cmです。
したがって、台形ABCDの面積は、12×(AP+CQ)÷2=12×CR÷2=12×6÷2=36cm2です。

正解;36cm2

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