四国内主要私立中理系科目の考察

 ※ 難易度 易←A B C D E→難  基準…高知県内の上位生のレベルB
 

愛光中学 (愛媛県)


★算数 時間:60分  満点:120点   難易度:図形B/他分野C
・枚数は2枚、と書けば一見時間に余裕がありそうだが、実際は結構なボリューム。

・1枚目は計算問題を含む小問集合がおよそ10問で、配点は約6割。典型題が多いものの解きにくい問題も幾つか。
 文章題、特に和差や割合に関する問題が圧倒的に多い。図形や数に関する出題は控えめである。
・2枚目は大問が3つ程度出際され、設定の複雑なものや難問が多く見られる。
 かつては立体切断を含むバリエーションに富んだ大問群だったが、新課程になってからは専ら割合や速さの文章題。
 比または面積図を自由自在に扱えるようにならないと、2枚目では手も足も出ないだろう。
 時折方程式まがいの出題があったりするので注意(方程式を知っていた方が必ずしも有利と言うわけではない)。

・1枚目は空欄補充ゆえ答えのみの採点。逆に2枚目は式や考え方が重視されるため答えだけでは減点となる模様。
・1枚目2枚目ともに誘導形式になっていることが多いが、誘導の流れに乗るのは容易くなく過去問での練習が必要。
・年度により平均点は異なるものの、80点欲しい。四国の中では算数の出来が特に合否を大きく左右する学校である。

※愛光算数の特徴的問題
<H20 [1](9)>…(推定12点)…小問集合の誘導に乗れるかい?

円周にそって1から300までの数字が順に時計回りに書かれています。いま、1からはじめて16個目ごとに、つまり、1、17、33、…、289、5、21の順に数字に○印をつけていきます。すでに○印のついている数字に戻ってくると、この作業をやめます。このとき、289は[ ア ]回目に○印がつけられる数字であり、45回目に○印がつけられる数字は[ イ ]です。また、この作業が終わったときに、○印がついていない数字は全部で[ ウ ]個あります。
<H19 [4]>…(推定16点)…比または面積図を使いこなせ!

ある池の周りを一周する道路があります。兄と弟がその道路上のA地点を同時に出発し、それぞれ一定の速さで反対方向に回ります。出発してから4分後に2人は初めて出会いました。その後すぐ、弟は速さを毎分8m遅くし、兄は速さを毎分40m遅くして歩き続けたところ、初めて出会ってから6分後に再び出会いました。また、2人が5回目に出会ったのは、弟が出発してからちょうど2周してA地点に戻ってきたときでした。
(1) この道路の一周分の長さを求めなさい。
(2) 2人が初めて出会ったあとの弟の速さは毎分何mですか。
(3) 弟が2周して2人がA地点で出会ってから、再びA地点で2人が出会うまでに何分かかりますか。



★理科 時間:40分  満点:80点   難易度:C
・枚数は4枚前後で総設問数は30〜40問。制限時間を考慮すればやはり余裕はない。

・生物/地学/化学/物理からおおよそ均等に出され、推定配点はそれぞれ20点前後。ただし物理の配点がやや高め?
・生物分野は、ただ知識を問うだけでなく、図やグラフから手がかりを読み取る問題が多い。
 この分野などでたまに見かける○×問題は、文章が巧妙に作られており解きにくい。一字一句まで熟読が必要。
・地学分野は、長文のごつい問題が出題されることもある。地震の揺れや雷からの避難など、一般常識を問うことも。
・化学分野は、計算問題または水溶液の推理が頻出であるが、典型的な出題が多いので得点源としたい。
・物理分野で特筆すべきは、てこのつりあいに関する応用問題が10年以上出題され続けていること。
 学校側の説明によれば、てこの問題は差がつきやすいようなので、難問にも対処できるよう徹底的練習が必要だ。
・学校発表平均点は50点台で安定しているので、60点以上が一つの目標となるだろう。

徳島文理中学 (徳島県)


★算数 時間:60分  満点:100点   難易度:図形D/他分野B
・枚数は2枚で総設問数は20〜25問。四国の進学校で唯一、相似や立体切断など指導要領範囲外を多数出題。
・1枚目には、最初に計算問題が3問前後配置され、それ以外は文章問題や数の性質が中心となる。
 ここには難しい問題が配置されることは少なく、また典型題が多いので、点数を稼いでおきたい。
・2枚目は図形問題が中心であり、年度によってはすべて図形であることも。
 図形に関しては分量が多く、しかも難易度は他分野に比べやや高めなので、数多く解いて練習しておこう。
・2枚目の最後には必ず立体図形、しかも多くの場合は切断する設定のものが置かれている。
 立体切断は標準レベルの年もあるが、灘受験生も真っ青の超難の年もあり、解けるレベルか見極める必要あり。

※徳島文理算数の特徴的問題
<H17 [8] 図略>…(推定12点)…舐めたらアカンぞイレギュラー立体切断

底面が五角形のへこみのない角柱があります。
面ABCDEは、角A=角C=角D=90度、AE=BC=DE=3cm、AB=4cm、CD=5cmです。
また、AF=BG=CH=DI=EJ=4cmです。
(1) 五角形ABCDEで、AからCDに垂線AKを下ろします。AKの長さを求めなさい。
(2) AFの中点をMとします。点M、C、Dを通る平面とBGとの交点をNとします。このときBN:NGを求めなさい。
(3) (2)の平面で切った立体のうち底面FGHIJを含むほうの立体の体積を求めなさい。

土佐中学 (高知県)

★算数 時間:A45分、B45分  満点:AB合計150点   難易度:B
・枚数はABともに2枚で総問題数は25〜30問。AとBの配点は75点ずつとは限らず、60〜90点の間で幅がある。
 近年は、AとBに傾向の違いや難易度の差はほとんど見られない。

・1枚目は空欄補充問題で答えのみの採点。内容は計算を含む全分野が均等に出題される。
 問題の本質さえ見抜けば簡単な問題が多いものの、それなりに算数の実力がないと本質は見抜けない。
 また、まれに難問も出題される。試験時間は短いので難問は深追いしない方がいいだろう。
・2枚目には大問が3つ程度。こちらもさほど内容に偏りはないが、速さや立体図形の出題率が比較的高い。
 速さはやたら長文の問題が目立つが、多くはただ長いだけで簡単な場合が多い。要点を見抜く国語力が必要。
 立体は水そうに水を入れる標準レベルの問題が頻出。それ以外の内容ならば難問の場合も?
・学校発表の合格者最低点は得点率3分の2前後で安定しているので、AB合計100点以上が目標。


★理科 時間:60分  満点:100点   難易度:AまたはC
・枚数は4枚前後で、問題数は25〜50問とかなり幅がある。総じて易しい年が多いが、まれに難しくなる年もある。
・制限時間は有り余るくらい長い。現状の出題傾向を維持するなら10分以上削っても十分なのでは?

・出題分野は大きく偏っており、化学の出題が比較的多め。逆に地学の出題は少なく、設問数ゼロの年さえある。
 計算問題が圧倒的に多く、しかも同じような設問が10問以上続くような年があり、算数並みに差がつきやすい形式。
 算数や国語にばかり気を取られていると、理科の1ミスで致命的な大失点を食らいかねないので注意が必要だ。
・生物分野は、動物や植物の分類問題が多いので、知識を広く浅く身につけよう。
 また、記述問題が出題されることも多々ある。基本的な事柄は理由を言えるようにしておこう。
・地学分野の出題率は低いが、しいて言うなら星や月などの天体関係が比較的多い。
・化学分野は、知識問題はもちろん、溶解度や燃焼や水溶液などから、計算問題がほぼ毎年出題されている。
 また、化学分野は特に難問が出題されやすいので、重点的に練習しておく必要があるだろう。
・物理分野は、てこなどの計算問題が頻出である。標準レベルの問題が圧倒的多数で、難問は見られない。
・年度によって目標点は異なるが、難しい年なら60点くらい、易しい年なら80点近く必要であろう。

※土佐理科の特徴的問題
<H17 [1] 記号改題>…(推定30点)…易しいけど1ミスが大失点を生む

100cmの糸に100gのおもりをつけた振り子を作り、おもりを高さ5cmの所からはなしました。おもりをはなしてから0.5秒後におもりは下に置いた積み木にあたり、積み木は6cm動きました。次の各問いについてあてはまるものを、次のア〜カより選び、記号で答えなさい。
 ア 6cmより短い  イ 6cm  ウ 6cmより長い  エ 0.5秒より短い  オ 0.5秒  カ 0.5秒より長い
(1) 100cmの糸に200gのおもりをつけ、おもりを高さ5cmのところからはなし、積み木に当てました。
 1.積み木の動く長さ  2.おもりをはなしてから、積み木に当たるまでの時間
(2) 100cmの糸に100gのおもりをつけ、おもりを高さ20cmのところからはなし、積み木に当てました。
 1.積み木の動く長さ  2.おもりをはなしてから、積み木に当たるまでの時間
(3) 150cmの糸に100gのおもりをつけ、おもりを高さ5cmのところからはなし、積み木に当てました。
 1.積み木の動く長さ  2.おもりをはなしてから、積み木に当たるまでの時間
(4) 150cmの糸に100gのおもりをつけ、おもりを高さ20cmのところからはなし、積み木に当てました。
 1.積み木の動く長さ  2.おもりをはなしてから、積み木に当たるまでの時間
(5) 150cmの糸に200gのおもりをつけ、おもりを高さ5cmのところからはなし、積み木に当てました。
 1.積み木の動く長さ  2.おもりをはなしてから、積み木に当たるまでの時間

高知学芸中学 (高知県)

★算数 時間:第一日40分、第二日60分  満点:各100点   難易度:A(第一日)/C(第二日)
・第一日第二日ともに問題数は10〜20問程度。
・「考えられる場合をすべて書け」なる複数解問題が多数出題される全国的にも珍しい学校だったが、近年めっきり減少。

・第一日はおおよそ易しい問題が出題される。算数の力があれば満点も十分可能である。
 近年は、問題1に計算問題が5問程度出されている。複雑だったり工夫が必要な問題もあるが絶対に間違えられない。
 第一日は、一行問題レベルの典型題が出される。倍数約数や規則性など、数に関する問題の出題率がやや高い。
・第二日は、一転して重たい問題がずらりと並ぶ。高得点を取るのは極めて厳しいだろう。
 点の移動やころがし移動など移動がらみの図形問題、表やダイヤグラムを読み取って解くごつい文章題などが多い。
・第一日は満点を狙うくらいの心構えが必要。第二日は半分くらい取れればよしくらいに考えておこう。


★理科 時間:50分  満点:100点   難易度:知識B/計算C
・枚数は4枚前後で総設問数は50〜65問。難易度は受験層に対しやや高めにシフトされている。
 試験時間にあまり余裕はないので、難問にチャレンジするのは易しい問題を一通り解き終えてからにしよう。

・出題分野にさほど偏りはない。ただし問題1には例年正誤問題が出題されている。
 正誤問題は様々な分野から、基本問題からかなりの難問まで出題。引っかけパズルのような問題もあり熟読が必要。
 また、教科書レベルの記述問題の小問集合が数年連続で配置されており、今後定着するかもしれない。
・生物分野は、ただ知識を問うだけでなく、図やグラフを読み取って考察する問題が多い。
 種子の乾燥重量など、定期的に出題されている内容もあるので、過去問演習は効果絶大。
・地学分野は、知識と計算がセットになって出題されることが多い。台風や月食や地震など時事問題に要注意。
・化学分野は水溶液に関する出題が多く見られる。やはり、過去問で傾向をつかんでおくといいだろう。
・物理分野は、発光ダイオードや車輪の動きの考察など、ここ数年はラサールばりの新傾向問題が多い。
 その一方で、振り子や天秤など典型的問題も出題されているので、新傾向に臆せず典型問題を練習しておこう。
・8割を超える得点を取るのはかなり厳しいので、60点あれば十分、くらいに捉えておこう。

※高知学芸理科の特徴的問題
<H19 [1] 図省略>…(推定14点)…全問正解にはかなりの力が必要?

次の各文において、下線部が正しければ○、間違っていれば正しい答えに書き直しなさい。
問1 インゲンマメの種子をネットの中に入れ、水を入れた水そうに中に沈めておくと、発芽しない。この状態の種子にエアーポンプで常に空気にあわをあてると、水中で発芽する
問2 ガスこんろにかけたやかんの口から出ている湯気は、非常に小さな水蒸気のつぶである。
問3 食塩水から短時間に食塩のつぶを取り出すには、食塩水をビーカーに入れて加熱するのが一番よい。
問4 西の空に、下半分が光っている月が見えた。これは上弦の月である。
問5 H19の冬は暖冬といわれる。この原因の1つは東太平洋赤道上で海水の温度が上昇するフェーン現象といわれる。
問6 小石や砂などがいっしょに固まってできた岩石を砂岩という。
問7 1個30gのドーナツ型磁石を2個、N極を向かい合わせにして20gの棒に通し、台はかりの上にのせる。このとき台はかりの目盛りは50gをさす。

2008.08/31:作成

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