算数限界編問64の解答

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<解説>
長さの「和」の「最小値」ならよく見かけますが、長さの「差」の「最大値」とは…?

線の長さの差に関係する有名な知識として、「三角不等式」があります。
  『三角形の一番長い辺の長さは、残りの2辺の長さの和よりは短い』…☆
これは、右図のように、半径の長さがそれぞれ短い2辺である円を描けば理解できます。

さて、☆の不等式を少し言い換えれば、こうなります。
  『一番長い辺とそれ以外のうちの一辺の長さの差は、残りの一辺の長さより短い』…★
右下図で、一番長い黒い辺と赤い辺の長さの差は青い辺の長さより短い、ということ。
わかりますか…?(^^;

しかし、問題図のままで、うまくいきません。
それは、△EPMで★を使おうとしても「一番長い辺とそれ以外のうちの一辺の長さの差」が一定ではないからです。
(一番長い辺のEMが一定値のため、長さの「差」が一定値と比較できない)

そこで、図のように、辺ABについて点Mと対称な点をNとします。
(四角形GFBAは、一辺が42cmの正方形)
すると、Pの位置に関わらず、つねにPM=PNが成立します。
EPとPMの長さの差は、EPとPNの長さの差と同じということになります。

では、次の図をご覧ください。
こうすると、ENの長さが一定であることを念頭に。。

ア)3点E・N・Pが同一直線上にないとき。
3点E・N・Pを結ぶと三角形ができます。
また、角ENPは90度より大きいため(注)、Pの位置に関わらず辺EPの長さが最長となります。
△EPNについて、★より、EPとPNの長さの差は、一定値ENの長さよりは短いことが分かります。 …(※)

イ)3点E・N・Pが同一直線上に並ぶとき。
EPとPNの長さの差は、一定値ENと等しくなります

ア・イより、3点E・N・Pが同一直線上に並ぶとき、EPとPNの長さの差は最大です。

(注)は、直線ENに関して直角に交わる線を引いた時、Pはこの線より右側(点Eとは異なる側)にあることから、いちおー判断(^^;;


EPとPNの長さの差が最大になるとき、△EGNと△EAPは相似です。
AP=□とすると、GN=DM=18÷2=9cm、EG=42−18=24cmより
24:9=42:□ よって□=15.75(63/4)cmとわかります。

正解;63/4[15.75]cm


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